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2012年3月

フランス革命とは何か

 フランス革命は、深刻な財政危機に直面したフランス王国が全国三部会を召集したところから始まる。聖職代表の第1身分、貴族代表の第2身分は自分たちの特権を守ることに汲々とし、進歩的貴族、聖職者を引きこんだ第3身分が憲法制定国民議会を結成する。

 この国民議会に国王政府が軍隊を差し向け、パリ民衆の怒りを買って1789年7月14日、バスティーユの要塞は陥落させられる。何故、パリだったのか。この後、ルイ16世の革命側との和解、王家のベルサイユからパリへの移動、教会財産の国有化、ジャコバン・クラブ発足…と続くのだが、佐藤賢一著「小説フランス革命」はいよいよ、国王一家のパリ脱出、ヴァレンヌ捕捉へと向かっていく。

「小説フランス革命」は文庫になったのを機に読み始めたが、既に7冊目が出た。

 大きな歴史の流れも様々な傑出した人物が社会の中でぶつかり、結びつき、引っ張りあい、作られる様子が伝わってくる。第6冊まで焦点が当てられていたのは革命初期の英雄ミラボーと、その死、それにロベスピエールだ。

 ミラボーは開明派貴族だが、第3身分の代表として議員に選ばれる。小説では放蕩な生活ぶりも描かれ、下品と言えば、そうなのだが、やはり貴族の貫録は残しているし、時代を見通す力は持っていたようだ。

 ロベスピエールは第1冊以来、田舎出身の若くてまじめな、童顔の優秀な弁護士として登場。当初はミラボーを師と仰ぐが、徐々に離れていく過程、その際の苦悩の様子が詳しく描かれてきた。恐怖政治の中心人物となっていくのは、これからだ。

 個人同士の絡み合い、思いはどこまで事実で、どこまで創作か分からない。が、フランス革命が現代の問題としても生々しく蘇ってくるのは確かだ。佐藤は今に伝わる肖像画を基に「フランス革命の肖像」も書いており、同時に読むことで迫真性は増してくる。

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